私を慈しむLOVE MYSELF論2 インスタライブレポート「今を生きる女性の不調とその向き合い方」
昨年に続き、今年も“すべての女性に、自分を慈しむ時間を。”をテーマに「LOVE MYSELFキャンペーン」を行いました。
本コラムでは同期間中に開催した、スタイリスト大草直子さんと昭和大学医学部医学博士 有馬牧子准教授による9/11配信のインスタライブの内容をご紹介します。
テーマは「私を慈しむLOVE MYSELF論2~今を生きる女性の不調とその向き合い方」。
日々過ごしていると起きる、さまざまな体調の変化。それが「単なる不調」なのか「更年期によるもの」か分からないという方は多いのではないでしょうか。
一般的に更年期は、45歳から55歳くらいの期間といわれています。月経が完全に止まってから1年経つと閉経ですが、その平均年齢は50.5歳。この閉経の”前後5年間”、約10年間を更年期と呼びます。ただ閉経する年齢には個人差があり、さらに更年期の症状は約200種類もあるため、更年期であることに気がつかない場合もあります。
有馬先生によると「40代半ばになったら更年期」と考えた方がよいそう。そして「まず更年期症状があれば産婦人科に受診することが大切です。不調を感じて、それに対応する科に受診しても対症療法となってしまい、また他の科を受診することに。医療費も時間もかかってしまいますし、最初から産婦人科を受診する方が症状の改善も早い」とのアドバイスも。
皆さんからのコメント「更年期に終わりは必ず来ますか?」には、「いいご質問ですね。私も知りたいです。」と大草さん。
有馬先生「はい。更年期に終わりは必ず来ますし、うまくケアすれば体も徐々に慣れてきます。」
大草さん「慣れてくる!なるほど。トンネルに入ったけれど、終わりが必ずあるということですね。」
更年期はパフォーマンスに影響する? 社会への影響
「日常生活が送れなくなったり、仕事を辞めざるを得ない方もいらっしゃいますよね?」
この大草さんの言葉は、働く女性にとって切実な問題。
有馬先生「以前に私が監修を行った、働く女性を対象に行った調査では更年期症状が原因で仕事を辞める、或いは辞めることを考える方が全体の2割くらい。それによる社会の損失コストは4200億円くらいと言われています。」
大草さん「更年期の各症状がパフォーマンスに影響を与え、社会問題になっているのですね。離職などによる社会的損失の大きさにも驚きました。」
有馬先生「症状の強さを数値化する『SMIスコア(簡略更年期指数)』で自分の更年期の症状を評価したところ、症状の程度が軽いほど仕事のパフォーマンスが落ちにくいという分析結果が出ています。更年期の症状がパフォーマンスに影響を与えていることの実証ですが、だからこそセルフケア、自分を労わることが重要なんですよ。」
SMIスコアについて
・更年期症状指数票|女性の健康クリニック 小山嵩夫クリニック >
(出典:小山嵩夫クリニック)
続いて、視聴者の皆さんからのコメントからピックアップした更年期の身体のお悩みについて、解説とケア方法を教えていただきました。
○ 太ってきた
○ 浮腫みやすくなった
○ 肩こりがひどい
有馬先生「太ってきたはよくあること。加齢に伴い基礎代謝量が落ちるので、同じカロリーを摂っていても更年期世代は太りやすい。食事量を少し減らしたり、運動を取り入れることなどもおすすめします。」
更年期のメカニズムについても、
「卵巣から分泌されるエストロゲンという女性ホルモンの分泌が欠乏する。」
「これまでは、脳の視床下部が月経や排卵を起こす指令を出すことで月経が来ていたけれど、更年期になると指令が出されても卵巣から出されるエストロゲンの分泌量が少なくなるので、そこでホルモンのバランスが崩れる。」
「この脳の視床下部は自律神経を司っているので、自律神経に影響を与えるような症状、不調がたくさん出てきます。それが更年期症状です。」
と分かりやすく解説いただきました。
大草さん「身体がバグっているわけですね。」
有馬先生「そう。更年期症状は、『気の持ちよう』『根性がない』から起きていると言う方がたまにいらっしゃいますが全然違う。ほてりや体温の調節機能も自律神経の役目ですから。」
有馬先生「代謝が落ちると筋肉の量が低下し、血流も悪くなるので浮腫みやすくなります。血流が悪くなると、その部分の筋肉に酸素や栄養が行きにくくなり硬くなったり、こわばり、肩こりに。」
大草さん「だからこそ自分なりのTIPS(コツや対処法)を持っていたいですよね。代謝を上げるために適度な運動や入浴、セルフマッサージなどは有効でしょうか?」
有馬先生「はい。代謝を上げる、筋力を上げる、リンパの流れをよくすることも有効です。温めたり、運動も大事。お風呂に入る時にバスソルトを使うのもすごくいいですね。」
大草さんも実践。セルフケア術
最近運動を始めて浮腫みの改善やメンタルへの効果も感じているという大草さん。
さらに日頃実践しているセルフケアについて教えていただきました。
・ボディオイルでマッサージ&体形チェック
大草さん「自分自身に触れて労わることを大切にしています。とにかく一日に1回か2回は自分に触れてあげてください。」
ケアにはニールズヤードの『シルエットトーニングオイル』を長年ご愛用されている大草さん。
大草さん「これでマッサージして、たるみをキュッとしてあげるとシルエットが整う。締まる。それが自分の精神の締まり方にも直結していて、お風呂上がりに全身に使っています。半分くらいで『あれ!?』って、嬉しい変化を実感します。」
さらに「おへその位置が下がってきたら内臓が疲れているな」「肩のラインが少し変わってきたら1.5kgくらい太ったかな」など、自分なりの目安でのチェックも欠かさないそう。
大草さん「太ることが悪いわけではなく、自分の変化を知ることがすごく大事。」
また入浴時のバスソルトの愛用品は『ウーマンズバランス パスソルト』。
大草さん「ローズやゼラニウムの香りがすごくいい。私は51歳、娘は13歳。不調や悩みは異なりますが、それぞれに働きかけてくれるように感じています。」
・更年期のスキンケアについて
大草さん「身体だけではなく、肌への変化も如実に表れますよね。」
有馬先生「エストロゲンが減ることでコラーゲンも肌の保水力も減り、ツヤや弾力に影響してきますね。紫外線から守るバリア機能、ターンオーバーも遅くなりシミもできやすくなります。」
大草さん「例えば仕事中や気になる時に、こまめに保湿するのは大事ですよね。」
有馬先生「そうですね。首なども含めてマッサージすることでリンパ機能も高まるので、浮腫みも取れやすくなったり、いいことずくめだと思います。」
また、年齢やその日のコンディションに合わせてスキンケアを気軽に取り替えてみることもおすすめされていました。
大草さん「少し皮脂量が増えたと感じるときや、ごわつきが気になるときに使っているのが、『フランキンセンス ウォーター』。
洗顔後、コットンにとって使っています。さらに、デコルテや背中にまで使うようにしています。
この後は同じシリーズの『フランキンセンス インテンス リフトクリーム』。次の日の朝、肌の感触がピンとしていて「あ、何か違うな。」もう一回使って「あ、やっぱり違った。」と実感しました。夜はたっぷり塗ってマッサージもしています。」
大草さん「『心が不安定でざわざわする』『イライラする』『記憶力が低下』などのお声や、『ときめきがない』『キュンとしたい!』などのお声が多いのですが、これも更年期の症状ですか?」
有馬先生によると、エストロゲンが減ると心の安定や幸福感に影響するホルモンである「セロトニン」の分泌に影響して、自信をなくしたり、落ち込んだり、イライラしたりに繋がるとのこと。
大草さん「あまり自分ひとりで抱え込まずに『ごめん、今日は特につらい』とか『PMSでつらい』など、まわりにつらさをシェアしてもいいのではないかと思いました。」
職場でつらさを言いにくい、相談できずに辞めてしまうケースについても、お二人は「ひとりで抱えない」「無理しない」が大切、と強調されていました。
・更年期は「Change of life」
大草さん「無理しない、と自分で確認する時期。体がアラートを出してくれているのだと思いました。」
有馬先生「そうですね。更年期を『Change of life』と英語で言うことがありますが、人生の次のステージの始まりの時期なので、ぜひ前向きに捉えて。人生100年とも言われるから、平均閉経年齢が50.5歳なら閉経前と後とで、同じくらいの人生の長さかもしれない。その後の人生を元気に過ごしたいじゃないですか。運動や食生活に気をつけて、自分を労わることが大切です。」
大草さん「今後の人生を前向きに健康に過ごすために、もう一回土台を見直す時期なのかもしれないですね。」
・日々の不調。お二人のケア法は?
有馬先生の不調は「眠りにくい」「すぐ起きてしまう」とのこと。そんなときは音楽を聴くなど、気持ちを上げることだそう。
有馬先生「『私は最強』を聴いたりして、私は最強だと思い込む。そして肩をトントンって。自分で、頑張っているね、落ち込まないでいいよと。ちょっといいチョコレートを買う、お風呂に入る、いい香りを嗅ぐなどして気持ちを上げるようにしています。」
大草さん「自分を過去の自分と比べない。5年前にできたことが体力的にできなくなることが『普通』。(コメントで)“無理しない”がどのレベルなのか分からないという方がいらしたけれど、疲れた時は休む、早く寝る、週末は家事をやめて食事に出る、そんなことでもいいのかなと思っています。」
また大草さんにとっての「癒し」はボディマッサージとのこと。
「どんなに忙しくても、しんどくてもやるようにしています。」
『ウーマンズバランス マッサージオイル』で、デコルテから背中、腰、子宮のあたりや鼠径部、足まで、ローズやゼラニウムの香りを楽しみながら全身念入りにされていると、教えてくださいました。
以下は抜粋ですが、様々なご質問にも答えてくださいました。
「今から閉経を迎えますが、準備しておくべきことはありますか?」
有馬先生「不調があれば、メモしておく。いつ頃から不調が出たか、普段と違う症状があったか、何が嫌だったかなど。受診した時にドクターに説明しやすいので整理しておきましょう。
食生活、ストレスを溜めない、ちょっと外を歩いて運動する、自分を振り返る、自分の気持ちや気分を上げる。そんなことが大事かなと思います。」
大草さん「本当にそうですよね。え、そんなこと?と思われるかもしれませんが、いつもより長く歩くとか、階段を昇るとか、それで結構変わってくる。」
「骨を強くするために出来ることは何かありますか?」
有馬先生「食事からならカルシウム。牛乳、ししゃもとか。日光を浴びてビタミンDを摂ると骨に吸収されやすくなる。また更年期症状の治療薬であるホルモン補充療法(HRT)を服用することで、体にエストロゲンが補充されて骨量が増える効果も報告されています。」
「食欲不振で痩せてしまう、体力的にきつい、も更年期でしょうか?」
有馬先生「胃がもたれたり、つかえたりして食事を召し上がれなくなる方、また逆のパターンで食欲旺盛になる方もいらっしゃいます。」
ほかにもお二人から、「栄養補助食品」「自分の好きなものを少量でもいいからバランスよく食べる」「スーパーのお惣菜に手を加えるくらいでもいい」「旬のものが身体によい」「一回で食べる量が減るなら一日五食などこまめにとるのもおすすめ」などのアドバイスがありました。
大草さんへ「私も仕事が大好きですが50歳になり少ししんどくなっている。どのように気持ちを切り替えましたか?」という質問も。
大草さん「今までは人生の第2ステージ。身体も心も元気で、働く機会もいっぱいある。どんどん訓練する時期で、やり切ったと思っているので、第3章に移ったのかなと自分に言い聞かせています。第3章はまた違うやり方、スピード感。もう少し周りの人にお願いする、頼る、任せる、が増えてくるタイミングかもしれないですね。」
これには有馬先生も「うん、素敵な考え方ですね。」と同意されていました。

最後に、皆さまからのお悩みの声に触れたお二人は更年期についての情報の少なさへも言及。
大草さん「母の世代に比べたら、よほど良くなったと思うけれど、やはりこうして話す機会を増やす、自分でも情報を取りに行くことが大事ですよね。」
有馬先生「正しくない情報もあるので、よく調べていただくことも大切ですね。更年期の話題は近年、社会で女性が活躍するようになってからよく取り上げられるようになっていますよね。もちろん更年期や閉経は昔からありましたが、昔は寿命が短く、閉経と同時くらいに亡くなる方も多かった。だからこそ、これから皆でのり超えていきましょう。今はSNSなどもありますし、周囲とも繋がりやすいですから。
無理をしない、抱えない、自分のこと(不調)に気がつく。女性はつい家族を優先したりして自分を後回しにしがちですが、そのままにしないことが大事かなと思います。」
ご自身も仕事をし、社会で活躍されながら更年期の症状とうまく付き合いケアしているお二人からのアドバイスは具体的で参考になるものばかりでした。
お話にもあったように、更年期はトンネルに入ったような時期。終わりもあるということですので、自分を見直す時と考えて、自分へのケアを大切にしていきたいですね。
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